第六夜
第二六話

題名
霊拝室

投稿者
クレムリン様



看護婦になって初めて人の死に直面した20年前の雪の夜の話。
ひどい話、何故か私は霊拝室で亡くなった人を見守る役目を上司のお局看護婦から言い付けられました。
亡くなったのは、80歳代のY平J子さんという身寄りのいないおばあさん。もう5年の近く入院されていて、ものすごく頑固で気難しい人で病院内で有名でした。・・・
私は彼女の噂を色々聞いていただけで、直接関わりがあるわけはなかったので、
(・・・ったく、なんで私がこんな役やんなきゃなんないんだろう・・・?)と不満に思いました。
今日は友達と飲みに行く約束してたのに、なんで今日になっていきなり夜勤??しかも、こんな霊拝室って・・・。
そんなむかつきを胸にかかえながら1時間ぐらいして、一度トイレに行くため部屋を空け5分くらいして帰って来たときです。
あれ?なんか、どっかさっきと部屋の様子が違う様な・・
ん?・・・
あれ、なにがおかしいんだ?
何かが変化しているです。なのにそれが分からない。・・・
でも、どうしても分からなくて疑問で悶々としながえら、また、部屋の椅子に座り、夜も遅くしばらくすると、うとうとし出し、少し仮眠状態に入り2時間ぐらいして、起きました。
しかし・・・やっぱりなんかおかしいのです。致命的に。
もう、なんだかイライラしてきて、一度外の空気を吸いに屋上へ・・・
そこでハッとしたのです。
それに気付いて、急いで霊拝室へ。
ドンピシャでした。遺体がドロン・・・!?
「そ・・そんな・・・!?そんな事がありえていいの!?」と思いながらも、急いで、夜勤の看護婦のいる部屋へいったのですが・・・
一人は見回り、もう一人も運悪くトイレ。誰もいません。
(どうしょう・・どうしょう・・・一大事・・・!??)
一人で病院内を遺体をさがし廻りました。
焦っていました。
遺体が喪失したなんて前代未聞です。それに遺体がなくなったって、後からなんて言ったらいいのか・・・
そもそも、そんな事あるわけない。何言ったとこで信じてもらえない・・誰にも。
それ以上に探しているけど、もし、生き返った死者と遭遇したら・・・と考えると、恐怖でした。
しかし、結局、見付からず・・・ああ、どうしょう・・・。というプレッシャーに落ちつぶされそうになりながら、はたまた、遭遇しなくて良かったなんていう複雑な思いを抱えながら霊拝室に戻ると・・・
な、なんじゃ、そりゃ・・・?
さっき、なくなってあんだけビビらせた遺体は、ちゃんと棺の中で眠っていました。
まったく、人騒がせな・・ってか、ありえない話ですよね・・・



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