不思議談
第二夜
第十六話

題名
豪胆家族

投稿者
仙人様



父が小さい頃から大学生にかけて暮らしていた家の話。その家は、中古で、ケチな祖父と祖母が「大金だして、新しい家に住むよりか、安く中古の家に住んだほうが、家がないよりは、なんぼかましや」という方針から住み始めた家だったらしいですが、その家は、一階建てでしたが、とても家自体広く、庭付きだったそうです。
しかし、引っ越した当時から、異変は起きてました。
まず、経験したのは祖母です。
祖母が引っ越してまだ一ヶ月もたたない、ある夜、便所に起きて長い縁側の廊下を一人であるいていると、後ろから視線を感じたので、ふりむくと、そこには誰もいない、そして、便所で、ようをしている最中に、
「ギシ・・ギシ・・・」と音がするので、祖父も便所かと思った祖母は
「お父さんも、お便所ですか?」と聞いてみると、無回答。
「・・?」と思って、便所を出ると、そこには、誰もいないので、呑気な祖母も少し怖くなって、祖父の寝室に確かめに行くと、ちゃんとそこに、祖父は寝ていたそうです。
呑気な祖母は、そこで安心したらしいです。
「まぁ、気のせいやな」と・・。
また、祖父も幼い父も呑気なもんで、祖母の話なんか、気にとめなかったそうです。
で、17年くらい、暮らしていると、だんだん豪胆な家族だから、そんな怪事件の数々に、なんと馬鹿慣れしてしまい、そんのそこらの事じゃ驚かなくなっていたそうです。
そんな、17年たった頃、家族は東京に引っ越す事になりました。
わけは、父の大学入学で、東京に是非、住みたいという、ケチなくせに、結構大掛かりな欲望を持つ祖父と祖母の念願からでした。
そして、引っ越す前夜、父は見てしまったのです。
祖母と同じように便所に起きた父は、また背後から視線を感じ、振り向くと女の人が立っていたそうです。
そして
「この17年間、よく怖がらなかったわねぇ。」なんて言って、消えたそうです。
父は怖がるどころか
「あんな、べっぴんさん、見た事がないなぁ」なぁんて、最後の最後まで、メチャクチャ呑気で豪胆な、この家族が、僕は、幽霊とか妖怪よりも、はるかに怖いっす。ちなみに僕は、メチャクチャ臆病です。



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