不思議談
第八一話

題名
夢残像

投稿者
黄泉様



夢で見た景色または物を時たま夢の中の全て覚えていなくてもただ一箇所だけ覚えていて、それが現実にどこかで一致するという場合を私は経験しました。
夢の全体像は本当に全く覚えていないのです。
ただ、ものすごく嫌な夢を見た様な気だったのと、赤い大きな帽子を被った金髪ロングの黒いロングコートを着た女性の残像だけが妙に頭に残っていたのですが、時間が経つうちにすっかり忘れてしまっていました。
多分、その夢から半年経った12月のある曇り空の日に私は何時もの様に会社のオフィスで仕事をしていました。
私の席は、窓側の端の席だったのですが、午後に入り外の空気が曇りから雨になりあたりが雲で暗くなって来た頃、ふと窓の外の隣のビル(ビジネスホテル)を見ると、あの大きな赤い帽子の金髪ロングの黒いロングコートの女が立っているじゃないですか。
そこであの夢の存在を思い出したのです。
季節的にコートは違和感はありません・・
しかし、何故かゾクゾクと背筋が上から下へと電気を通すように寒くなりひどい胸騒ぎに不安になっていると、おもむろに、その女は窓を開け、下界へ!・・
会社のオフィスで仕事中にもかかわらず、大の大人の女が大声で悲鳴を上げてしまいました。
本当にあまりの事に・・。
その女性はマイナーなモデルで、売れない事を苦に飛び降り自殺をしたというのです。
私はあの自殺の一瞬で分りました。
私があの晩見た夢は、この一瞬だったのだと・・・。



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