第七夜
第八七話

題名
近道

投稿者
やまちゃん様



50年も前でしたか。
毎日新聞の一面に南洋諸島の洞窟の入り口前に日本兵の亡霊写真がのりました。
玉砕した日本兵の亡霊の写真でした。
そうゆう事の大好きな中学生だった私は怖がる同級生を捕まえては怖い話をしていました。
当時の通学路よりも近道は墓場のそばの土手つたいの道でした。
その道の草は近所の人が刈っていて歩きやすいみちでした。
学校帰りは、クラブ活動などでいつも暗くなってからでした。
墓場のそばまでくると子供の泣き声が聞えました。
一週間ほど聞えました。
私は級友をつかまえ一緒に帰りましたが、級友はおどろいて駆けて逃げました。
これで噂は広がり付近は大騒ぎをなり、毎日新聞の栃木版に幽霊の記事がのりました。
警察が出て調査が入りましたが、お寺で飼われていた子犬の泣き声とわかり一件落着となり、子犬はほかにもらわれていきました。私は相変わらずその道を通っていましたが泣き声は聞えていました。
さすがに私も怖くなり走って帰ろうとした途端なにかに足を掴まれ転倒してしまいました。
当時長い草を結んで悪さをすることがはやっていましたが、草は伸びていませんでした。
裸電球の街路灯の下で取られた足首をみると指の形に変色していました。
翌日私は菊の花を倒れた場所に手向けました。
それからは泣き声も聞えなくなり、中学も卒業しすっかり忘れていました。
女房の実家のお墓参りに行くとあの墓地でした。



Copyright (C) 2001- ごんぺい All rights reserved
Since 01/04/11     Sorry Japanese only

次話へ進む

前へ戻る

トップへ戻る