第七夜
第三二話

題名
民宿

投稿者
花鳥風月様



大学のサークルの旅行で福井県のWK湾に泳ぎに行ったときの話です。
海の近くの民宿に泊まりました。大部屋を一つ借りてみんなで泊まることになりました。
みんな泳ぎ疲れていたようで、早くからぐっすりと寝ていました。私も布団の中でうとうとしていました。すると、畳を指でタップするような音が聞こえてきました。
私は隣で横になっている誠がまだ起きているのかと思って、誠に声を掛けました。
誠は完全に眠っていて全く反応がありませんでした。
部屋の入り口の辺りで寝ていた祐介が私の声に気付いて、どうかした?と話しかけてきました。
そして部屋のみんなが私たちの声に気付いて目を覚ましました。
「畳を指で叩くような音がするんだ。」
「本当だ。誰がやっているんだ?」
「みんな両手を挙げろ。」
そしてみんなで耳を澄ますと確かに音がしていました。何もない床から。
そして祐介が音のする辺りに近づいたときです。
入り口の襖が少し開いていて、そこから青白い顔の女性が中を覗いていたのです。
私は怖さのあまりびっくりすると他の皆も女性に気付いて、一斉に悲鳴をあげました。
すると女性はそのまま、スーッと消えていきました。
「今のは、なんだったんだ」
みんな騒いでいるなか、祐介は部屋の真ん中でうつむいて震えていました。
「祐介も今の見ただろ!」
一人が話しかけると、祐介は震える声で答えました。
「いや、俺、見てないんだ。俺、今・・・足を掴まれていた」



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