第七夜
第二八話

題名
花嫁
投稿者
海人様



父に聞いた話です。
僕が卒業した小学校は小高い丘の上にありました。
その小学校の前を通る道路で、真夜中にタクシーが花嫁姿の若い女性を乗せたそうです。
運転手さんは、こんな夜中にしかも花嫁姿でタクシーに手を上げてきた普通ではない、この女性に不思議と恐怖を感じることは、無かったそうです。
そして行き先は、すぐ近くの集落だったそうです。そして到着して女性は、
「持ち合わせがないので家からお金を用意してくるので、待っていて欲しい」と運転手さんに言って、その家に入って行ったそうです。
しかし10分程待っても一向に家から出てこないので、運転手さんは女性の家に行き玄関のベルを押して待っていると女性の母親位の人が出てきて、
「一体こんな夜中に何の用ですか?」と迷惑そうに出てきたそうです。
事情を伝えるとその女性は、顔色を変えて話してくれたそうです。
実は娘さんは不幸にも交通事故で亡くなり昨日、その娘さんの葬式があったのだが、事故に遭ったのは結婚式の1週間前だったそうです。
その結婚式で着るはずだった、衣装を着て事故に遭った場所である小学校前から家に帰ってきたのでしょうね。
この話を聞いた時、僕はまだ小学生でしたが、怖いと思うより凄く切ない気持ちになった事を憶えています。



Copyright (C) 2001- ごんぺい All rights reserved
Since 01/04/11     Sorry Japanese only

次話へ進む

前へ戻る

トップへ戻る