第七夜
第十四話

題名
道連れ

投稿者
とぼる様



僕はひいじいちゃんに育てられた最後の曾孫でした。
赤ん坊の頃〜10歳頃まで、一日中とくに何をするでもなく、一緒に家で二人で留守番をしておじいちゃんは家事をして僕はその横で本を読んだり、虫で遊んだり、テレビを見たりとお互いの事をしながら極めてマイペースに日々を過ごしていました。
しかし、僕が10歳頃になるとおじいちゃんはボケ出して、家族が老人ホームに無理矢理閉じ込めたのです。
それから二年ぐらいたった冬のある日、僕は夢を見ました。
雪が降る岩や石がゴツゴツした川土手に僕は裸足で突っ立っているのですが、川には船・・といっても木で出来た弱々しい舟。そこにおじいちゃんが乗っていて、
「おーい、とぼるぅ、来いよ」
何時もののんびりした声で僕を呼びます。
「うん!行こうよ!じいちゃん!」
久しぶりに見た元気そうなおじいちゃんに僕は嬉しくなり、走り出そうとしたら・・
地面から足が離れない。まるで接着剤でもついているみたいに・・
「じいちゃん」
おじいちゃんは「あり?」という顔をしましたが、次第に悲しげな顔をして・・
「じゃ・・達者でな・・」
そこで、目が覚めたんです。
翌朝、老人ホームからおじいちゃんが死んだという知らせをもらいました・・。
あの時の悲しげなおじいちゃんの顔が今でも脳裏から離れません。



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