第六夜
第壱百話

題名
無縁仏

投稿者
イサナ様



これは私の母の職場の方(仮の名前をAさんにします)のお話です。
Aさんは生まれてから体が弱く中学生になる前に死んでしまうだろうと医師から言われるくらいでした。
実際高熱を出して幼稚園や小学校は休みがちでした。
ある日小学校低学年の時40度を超える高熱を出し医師に診せるともう駄目だろうとのことでした。
Aさんの家族全員がAさんの死を覚悟しているとAさんの御祖母様が駄目もとでと霊媒師さんに見てもらうことにしました。
すると霊媒師は
「この家に無縁仏がありますね、それを奉ってください」と言うのです。
Aさんの家は古くからある大きな家ですが、家族全員が無縁仏を知らないという中お祖父様がしばらく考えてから
「いや確か俺が子供の時そんな話聞いたことある」とのことでした。
それから家の大人達で広い庭を探し回るとこけむした、ただの少し大きな石が見つかりました。
しかし庭中探してもこれしかそれらしきものが見あたらなかったので石を洗い御神酒をかけてお供え物をしました。
Aさんは寝込んでいる中夢を見ていました。
Aさんは霧の中に立っていて霧の中から時代劇に出てくるような鎧兜を着て馬に乗った武士がAさんに向かってきて
「こっちに来い」と言うのです。
Aさんはそのときなぜか自分はついて行かねばならないと思い、行こうとすると巫女姿の10代前半くらいの女の人が現れAさんの前に立ち武士の方を向いて
「この子を連れて行ってはいけません」と言うと武士は
「そうかわかった」と言って霧の中へ帰って行きました。
それからAさんは熱が下がり始め元気になりました。
後でAさんの先祖の書いた物を読んでみると昔、当時の政府の考えで寺を焼いたり僧侶を殺すことをやっていたそうです。
そのとき近くの寺も焼かれ僧侶も巫女も皆殺しにあったそうですが、若い巫女が深手を負いながらもAさんの家のある村まで逃げてきたそうです。
当時Aさんの家はその村の領主でした。
領主はその巫女が可哀想なので手当をしましたが傷が深くすぐに亡くなってしまいました。
その後領主は自分の家の隅に巫女の墓を建てたそうです。今でもAさんの家には巫女の墓が奉られています。



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