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●近所の怪談第七夜
全国よりご投稿頂いた恐怖体験談を掲載しています。
 

     
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怪談数  御 題    御投稿者様
0609 凧柳 様
それは、一昨年の秋です。
私は、とある新聞記者なのですが、取材の為、山陰に出向いた時の体験です。
その出向く前夜、変な夢を見たのです。
私は落武者で・・・竹林を日本刀を杖に歩き、今にも野垂れ死にしそうな状況でした。
そんな私にいきなり茂みに身を隠していた農民数人が襲い掛かり、私は竹槍数本を脇に足首に胸に腹に突き刺され、雨が降っていたのかぬかるみに前から、ドサァと倒れこみました・・・そして、私は
「・・おのれぇ・・・呪ってやる!!・・・」と言って死んでいきました。
変な夢を見て、悶々とした中翌朝早く私は広島行きの新幹線に乗り、広島に着き、バスで山陰まで行きました。
目的地に着き、まずはその街を探索し街並みの写真を幾つか撮り、昼食に入った定食屋でまずは記事になるネタをまとめ、そこから泊まる旅館に行き、リラックスした時・・
慣れない環境のせいか体が重たくなり同時に眠気まで出て眠りに着きました。
「・・呪ってやる・・呪ってやる・・・」
暗闇の中悶える様に唸る声が聞こえました。・・・昨夜のだ。私はすぐにわかりました。
すると足音だけが私に近付いてくるのです。姿は見えません・・・その前に自分の目の前全てが見えません。そして、足音の主は多分、私の前で止まりました。
「・・お前は・・私だ・・」・・!?
そこで目が覚めると、そこには女中さんや他の客数名が
「大丈夫ですか!?お客様!」
聞かれた私の方がびっくり。私はただ寝てただけだのに。
しばらくして女中さんや他の客は帰ったのですが、一人だけおじいさんのお客が。
「あなたは、どこからこられた?」
と、聞くので
「と、東京から来た新聞記者ですが?」
「ここへ、こられたのは初めてですかな?」
「はい」
と言うとおじいさんは、
「あなたの前世は落武者です」といきなり!
「は?」
「と・・・いうわけなんです」
おじいさんは霊媒師でKさんという方で、私が寝ている間、ものすごく隣の部屋から憎悪の念が漂って来て、ドアを開けて廊下へ出たらすごい苦しみもがくような私の声が聞こえ、そこに来た女中さんと私の部屋に失礼ながら入ったというのです。
そしたら、他の人には見えなかったかもしれないが、落武者の魂が靄となって、私の体内に戻って行くのが見えたというのです。
「多分、その落武者はこの地方のここからそう遠くない場所で死んだのでしょうな。だから、今回あなたがこの地に出向くのに反応したのでしょう・・・」
翌朝、Kさんとその現場を臨時で探す事になりました。
しかし・・・ここで私は、全く土地勘の無いこの地で
「次、あっちです。ああ、真っ直ぐ。そうそう、ここで下ろしてください」とタクシーの運転手に適切に指示し、着いたのはD村という郊外の田舎のもう端っこの墓地で、また、そこで私はさらに墓地を抜け、どんどん歩いて行きます・・・
そして夢とまったく同じ竹林に到着。
「ここ・・ですかな?」と聞かれて、私は迷わず
「・・・はい・・・」と、その目には涙がぼろぼろと。わけはわかりません・・ただ無性に気持ちが溢れ涙が出て来たのです。
その後、嘘みたいに体も気持ちもすっきりし、取材を無事終わらせて帰る事が出来ました。それ以来あの夢はみていません。
しかし、未だ前世だの生き返りだのは信じてはいませんが。人の念というのは馬鹿には出来ないと思いましたね・・・。
2008/08/
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