kinjono.com

●近所の怪談第六夜
全国よりご投稿頂いた恐怖体験談を掲載しています。
 

     
警告
このページへの直リンクは禁止しております。
必ずトップページの方にお願いします。



>>怪談メインへ戻る

>>六夜目メニューへ
怪談数  御 題    御投稿者様
0596 ドブ川 芥川 様
私の家はボロで、ドブ川に窓が突出したような形をした家でした。家族は私と姉と年老いた母親の三人で大阪の真ん中あたりでくらしていました。当時は昭和30年代前半です。
姉と母は同じ飲み屋で働いており、夜も遅くならないと帰ってきません。そんな一人で家にいて、たまにドブ川から
「ああ・・あ・・・あう・・・」という一人二人じゃなく、時たま大勢の人が唸っているような声が聞こえて来ることがあって、私は夏場どうにもこうにも暑いようでない限り毎晩窓を閉めておく習慣がありました。
また、ある時はなんでそんな音が?っていうような音がドブ川から聞こえる事もしばしばでした。
そんなある晩、その晩は姉も母も朝まで帰らないという寂しい夜でした。
私はドブ川に窓が突出した部屋で布団を曳き寝ていました。家には、風呂・便所・台所と、その突出した窓の部屋しかないのですが、やはり小学生ぐらいの少女が家で一人で寝るのは心細いものがあります。
しかし、寝出してしばらくした時、窓が鳴る音がし、目が朧に開き、窓を見てゾッしました。水でずぶ濡れになった黒緑の長い髪の、色白な唇から真っ赤な血を流した女性が大きく見開いた目で私を上から見下ろしているのです。瞳が大きくギロっと、目の白いところがギラギラ光り、窓を叩く手には草や水草、ゴミなどがこびり付いていました。
しかし、その女は窓をガッシャーンと割り、犬か猫みたいな格好で四つん這いになって私の布団のあたりを、まるでゴキブリのように這いずり回ります。
あまりに気色の悪い感じに、だんだん私は気が遠くなり、気絶してしまいました・・・
気付くと朝になっており、なんと、割れたはずの窓は嘘のように元通りに何事もなかったように平然と割れていませんでした。
2008/07/
>>怪談メインへ戻る

>>六夜目メニューへ

>>次の話へ進む
kinjono.com©2000