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●近所の怪談第六夜
全国よりご投稿頂いた恐怖体験談を掲載しています。
 

     
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怪談数  御 題    御投稿者様
0581 狂霊 虎 様
族だった頃、後輩五名を連れ廃墟に肝試しと称した面接じみた事をやる事とした。
俺が後輩らを連れてくる前に俺と同い年の族メンバー数名を脅かし役として先に潜伏させておき、夜8時に、俺と後輩らは到着。
俺は言わば面接官役で、五名全員と廃墟を回る。
その廃墟は廃業になって10年になる旅館で、山の中にポツンと存在する。
一階には三名の脅かし役とちょっとした小道具少々・・
こんにゃくやら火の玉花火といった典型的肝試しグッズ・・・。
二階にはさらに三名の脅かし役が待機しているはずだった。
一階をクリアした段階では五名のうち小心者のK田と調子者のM崎はすでにガタガタ震えていた。
後の冷静沈着なJ中と豪傑キャラR山は落ち着いていたが、おとなしいA川は最初から一言もしゃべらず、真っ青な顔をしたまま一番後ろを歩いていた。
俺は、そんなA川の顔を尻目にさっさと歩いて行く。
しかし、階段を上がり切った時、カタカタという異様な音が長い廊下の端から段々俺らに近付いて来るのに気付いた。
なんか、脅かし役とはまた違う気がした。
カタカタ・・カタカタ・・・ひっひっひっ・・・
・・・女!?・・・脅かし役にも後輩にも女はいない。
全員が全員男でみんな声は男らしい低い声をしてるし、声のトーンが高めの脅かし役のB也だってあんな声じゃない・・・
誰なんだ?・・・狭い階段の上あたりで立ち止まっている俺ら五名の目の前は廊下の横幅が見えていて声はその左からやってくる。
・・・ぎっぎし・・ぎ・・・古い木造の廊下を音を鳴らしながら声の主はやってくる・・
そして、いきなりその声の主は奇声を上げ始めた!
そこで小心者と調子者は階段を転げ落ちる様に逃げ出した。・・
さすがの豪傑もびくとも動かなくなり、冷静沈着な男は黙って立っている。A川は黙って一番後ろで下を向いて何かボソボソつぶやいている。
俺は先頭で唾をひとのみし、そいつが何者かを確認したら逃げようと思っていた・・・
そして、声の主は階段のすぐ手前の壁まで来た。俺の懐中電灯で影が見える・・・
スカートを履いて、長いボサボサの髪が風も無しに揺れる。猫背であきらかに背中が奇形だった。
首の骨が上に不自然にとんがっている・・・
ひっひっひっ・・・泣いている様にも笑っている様にも聞こえる奇妙なすすら笑い。
そして、次の瞬間・・・見てしまった・・
充血しきってよだれだらだらの髪が乱れに乱れ、腰からは血がだらだら流れた狂霊の姿・・
豪傑は真っ先に逃げた。冷静沈着は驚いた俺の手を引っ張り逃げる。・・・
しかし、A川だけが、そこに突っ立ったままだった。・・・
ずっと下を疼くまったまま、あいもかわらずボソボソ何かを呟きながら。・・
ようやくの思いで外に出て車ねとこへ行くと脅かし役も後輩もみんなそこにいた・・・。
しかしA川だけはいない・・
おもわず、後ろを振り返った・・・
暗闇の廃業の中、はっきり見えた。
あの狂霊とA川が一緒にいた・・・その後でどんなに探してもA川はいなかった・・・
数ヶ月後、彼はその付近の山林で餓死していたのが発見された・・・。
2008/04/
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