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●近所の怪談第六夜
全国よりご投稿頂いた恐怖体験談を掲載しています。
 

     
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怪談数  御 題    御投稿者様
0580 怖いもの ファースト 様
この世で一番怖いもの・・それは人の念なんだと痛感しましたね。
まだ私が子供だった頃、私は田舎の祖母の家に預けられ、そこで中学校卒業までの3歳から15歳まで約12年を過ごしたのです。
祖母は狂信的な、そこの地方・・といっても祖母の家その付近一帯の地域特有の仏教とも神統ともつかぬ民間信仰とされる宗教の信者だったんです。
その宗教は、真言密教にも似た厳密なもので、そのお経には何やらなんとも言い難い凄味・威嚇・攻撃的さすら幼い私には感じられました。
特に祖母のお経を読む声と来たら何かに呪いか暗示をかける様にすら聞こえる程強烈だったのは忘れられません。
どうして、そこまでするのか、という理由は知りませんでしたけど・・・。
中学校卒業時に祖母は心不全で亡くなり、私は東京の父に連れ戻され、祖母の家は父の姉夫婦が突然大阪から帰って来て管理し出したのです。あれだけ、祖母が生きていた頃は仕送りすら送って来なかったくせに。それは父も同然でしたけど・・・。
しかし、その3年後、突然、大阪へ帰りたいと言い出したのです。
夜な夜な、家中からお経が所狭しと聞こえて来るというのです。
しかも壁にシミがあったなら、それが段々教本のお経みたいになるわ・・・愛犬が狂って、泡吹いて死んだとか、しまいには何度も何度も祖母らしき霊が現れ枕元で凄い形相で例のお経をあの凄味・攻撃的・威嚇さであの大音響で唱えるので、夫婦共に不眠症になって、旦那さんが精神病院に入って、半狂乱状態だというのです。
その後分かったのですが、叔母・叔父は、その祖母の家にある祖母の財産全部が目当てだったらしいのです。
祖母は生まれが武家だったため、嫁入りのさい、高級な西陣やら色んなものを持って来ていてそれらは今でも十分価値があるものです。
祖母と祖父はとても円満で、特に祖母は祖父を深く強く愛していたみたいです。祖父亡き後は自分が一人になっても、どんな事があろうとこの家を守り、信仰を頑なに守ろうとしたのです。
それがあの強烈なお経にも出ていたのです。
祖母は人一倍激しい女であり人で、人一倍誠実で頑なだったのです。
だから叔母夫婦の下心が許せなかったのでしょう。しかも、自分が生きてるうちは少しも自分を助けようとしなかった奴らにあげるものなど無い!そう云いたかったのでしょう・・・。
その後、しばらくはその家は空き家でしたが5年前に私が大学卒業と共に一人で移り住みにまた戻って来ました。祖母の菩提を弔ったり、家を守るためです。
私は不思議と祖母が守ってくれてるようで、私の周りは今までや今現在はとりあえず幸せにやっています。
これからは祖母への誠意を忘れずこの家を守って行こうと思います。
最後に、最初に、人の念はこの世で一番怖いものといいましたが、それは私達の心のどこかに何時でも存在してるものだと思っています。
怖いと同時に、それは自己の表現でもあるかもしれません。
2008/04/
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