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●近所の怪談第六夜
全国よりご投稿頂いた恐怖体験談を掲載しています。
 

     
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怪談数  御 題    御投稿者様
0554 古旅館 コッペリア 様
二年程前の大晦日、私は母親と北陸旅行の際、とある古旅館に泊まったのです。明治時代からある旅館らしく味のある洋館風建築で何から何まで古風でモダンな感じに母親も私も大満足。
そこには二泊三日泊まっていたのですが二日目の夜、夕食を食べている時、隣に泊まっていた若いアベックが突然私たち二人の部屋に女将さんを連れてやってきたのです。
「あの部屋はもういや!空き部屋がないならこっちの部屋の人と交換してもらいたいわ!!じゃなきゃ、マスコミに言いふらすわよ!?」
なんか、ものすごく身勝手な事を云う女の人で、連れの男も、
「お前の旅館はあげな部屋に客を泊めるんかい?ああっ!?」
なんか、その筋の人みたいで怖くて、ついつい・・・
「あ・・あのよければ、部屋代りましょうか?」
と、言ってしまったが最後・・・
「ほら、ここの人もいいっていってんでしょ!!じゃ、いいじゃいのよ!?ほら、早くしてよ」
と、女将に無理矢理説得して、食事と取ってすぐにも隣の部屋に私たちは移されました。
「すみません、すみません、お客様」
「いいんですよ・・仕方ありません」
と女将さん実に申し訳なさそうに・・・
「もし・・もし、何かありましたらご遠慮なく私にいってくださいまし」
そう言って女将さんは部屋を出て行きました。
その部屋には、古時計があって、それ以外はさっきまでいた部屋とさほどかわらないのをみて、なんでの二人はああも言っていたのか分かりません。
その夜、母はあの一件でどっと疲れて、早くに寝込んでいましたが、私は妙に冴えて眠れず、古時計のカチッカチッという音が妙に不気味で、年が得もなく少し怖がっていました。
・・・と、時計が12時を告げるボォーンボォーンという音を鳴らしました。確かに寝室にこんなうるさい時計があるのはセンスないと思いましたが、まぁ、仕方がない。
隣の母はそれにも関わらず熟睡。私もさすがに少々睡魔が襲って着てウトウトしかけた時、ブッワッ!?と窓から風が・・
(え!?)窓は閉めていたはずです。全部。
水が滴り落ちる音・・ドカッ・・と何かが地面に落ちる音・・。
ど・・泥棒?っと思っているとなにやら此方に来ている様子が・・。
カチッカチッ・・・古時計だけが憎々しく平然と時を刻みます。
スッ、スッ・・・間違いないこっちやってきてる・・。
私と母は部屋のドアに頭を向けていて、窓には足を向けていましたが、私は金縛りで真上の天井しか見えません。
グッ・・ソッ、ソソ・・・布団に上がって来た!?気付くとそれはひとつじゃなく、数体いるのです。そしてだんだんと私、母を包囲しだしたのです・・。なっ・・なっ・・・。
目を瞑りました。すると、耳元に濡れた長い髪が当たり
「・・は知りませんか?・・・・・は知りませんか?」とか
「うらめしい、うらめしい」、
「ふふふ・・ふふ」とかとにかく色々な声が聞こえるのです。
そして、だんだん気が遠くなり・・
翌朝、私は愕然としてしまう事実を二つ知りました。この部屋は二回で外は垂直な壁で上がるための道具なんかありませんし木も石もないこと。そして、部屋一面濡れていたということ。
母親に昨晩の事を話すと、母も金縛りにあい、私と同じような体験をしていたのです。
女将さんに人気のないところでその昨晩の話をすると、この旅館の周辺は古戦跡で、そこで死んだ霊が今もなお浮遊していて、しかもちょうどあの部屋が霊道になっていて、しかもその部屋で子供を誘拐された女性が自殺をしていたというのです。
しかし、私たち二人はなかば自暴自得であの部屋に泊まったので女将さんには何も言わないで旅館を後にしました。
あの例のアベックは昨晩は熟睡出来たらしくひょうひょうと旅館を出るのを見ました。さすがにあれには腹は立ちましたが・・・。
2007/11/
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