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●近所の怪談第六夜
全国よりご投稿頂いた恐怖体験談を掲載しています。
 

     
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怪談数  御 題    御投稿者様
0548 電柱の下 元苦学生 様
まさしくかぐや姫の「神田川」を連想させられるようなオンボロアパートに学生時代、僕は住んでいました。時代は1980年代前半。
僕は、そのオンボロアパートの二階の左端の一室に住んでいました。窓からは小さな路地裏が見え正面には古い木造電柱が一本あり、夜は路地は人気がなくその電柱の光がポツンとあるだけで結構侘しい風景が広がっていたんです。で、もう一方にも窓があり、そこからは川が見えアパート側には桜の木が大きいのが一本生えていて、あっちは殺風景、こっちは絶景とこの対照的なのがお気に入りで大学4年間ずっと暮らしていました。
その大学最後の大晦日・・雪が降る夜、僕は殺風景な方の窓を何気なしに覗いたらあの電柱の下に綺麗に着物を着た30前後の女性が立っているのです。雪も降るし寒い夜なのに、確かに着てる着物は冬物だけどいくらなんでもじっと立っているのは良くない。だから僕は安いビニール傘を差し、もう一個傘を持って下へ降り女の人のもとへ走りました。
とても品の良い、肌の白く口元が赤く、目元は一重できりっとしてて、黒い長い髪を清潔にたまねていてこういう東洋美人は後にも先にも見たことはなりません。
「あの、お体に触りますよ・・・誰か待ってるのならせめてこの傘、使ってください」
と僕は彼女に勧めました。
「あ・・どうも」
彼女は少し微笑んで僕の手から傘をそっと持ったのですが、とても氷のような冷たい手だとびっくり。その拍子につい足元を見たんです。
「!?」
か・・影がない。僕の影は電柱の光に照らされちゃんとあるにもかかわらず彼女の影はない。それどころか積もった雪の上に足跡すら付いていない。
まさか傘を返せとは言えず、そのまま「失礼します!」と言って走って自分の部屋へ戻り、もう一度窓からあっちをみると、彼女はもう電柱の下には存在しておらず足跡すらなかったのです。傘もドロン・・・。
後に管理人に聞くと、反対側の川で飛び降り自殺したどっかのご婦人の霊だという話でした。
2007/10/
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